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使い勝手のいい収納とは

適材適所+適スペース

 快適な住環境は効率のよい収納が決め手、といっても過言ではありません。いくら収納スペースがたっぷりあるからといって、ライフスタイルや生活動線に沿ったものでないと使い勝手が悪かったり、無駄になったり、結果、家中が散らかり放題に。ひょっとして和室が物置になっていたりしていませんか?
 収納方法は大きく2つに分類できます。1つは納戸やウォークインクローゼットのような小部屋にまとめる「集中収納」。1年に1回しか出さない季節用品や大きなモノの管理に向いています。もう1つは使う場所の近くに設ける「分散収納」。こちらは日常的に使うモノの収納に適しています。
 最適な収納プランをどのようにして決めていくか。まずは一日の生活スタイルを思い浮かべてください。朝、起きてすぐに着替えをして朝食を摂る人は、寝室に衣類をまとめて収納すると便利。お風呂上りに寒い廊下をわたって衣類を取りにくのが不満というなら、脱衣所に下着類の収納スペースを用意するといいでしょう。また、二世帯住宅であれば老夫婦の部屋に小さな冷蔵庫を収納に組み込むと重宝します。ちょっと喉が渇いたとき、わざわざキッチンに行く面倒がなくなりますからね。
 このように一日の行動パターンやライフスタイルに合わせた収納プランを立てることで、合理的で無駄な動きがなくなり、スペースの有効活用になります。欲しい所に欲しいモノを。これが収納の基本です。

押入れ活用術

 押入れは貴重な収納スペースです。ただ、布団の収納を前提に寸法が定められているので、布団以外のものの収納は不向き......。いやいや、実はそうでもないんですよ。アイデア次第で使い勝手抜群の収納スペースに生まれ変わります。しかも安上がりに。
 一般的な押入れの面積は畳一畳分、奥行きは80cmほど。まず中段を外して、手前にパイプをつければ、クローゼットのような洋服かけとなり、奥の余ったスペースには棚を設けて小物収納とし、奥行きも有効活用します。
 押入れの位置が隣部屋と面している場合、押入れの奥壁を撤去して両面から使えるようにする方法もあります。
 ついでに押入れの扉も変えてみてはいかがでしょうか。引き違いのふすまが多く使われていますが、難点は片側ずつしか開かないこと。使い方が限られ、モノの出し入れも不便です。そこで押入れの幅いっぱいに全開できる折り戸にすると使い勝手が格段に向上。扉のかわりにロールスクリーンやカーテンにすると安く済みます。「狭いマンション暮らしだけど、子供に部屋を作ってあげたい」あるいは「書斎が欲しい」という人もいるでしょう。そんなときにも押入れが活躍します。扉を撤去して、机と本棚をセットすれば子供部屋&書斎のでき上がり。簡単ですよね。
 「収納」という言葉を辞書で調べると「品物をしまいおさめること」とありますが、私たちインテリアコーディネーターは「しまいやすい」ことと同時に、その品物が「いつでも取り出しやすい」ことにも重点を置いてプランを立てます。片づけが苦手な人でも、リフォームで「収納名人」になれること間違いなし!?

探せばまだある隠れた収納スペース

壁の厚みを利用

 家の中に散らかったモノを収納するためのスペースが欲しい、という声はリフォームの要望でよく聞きます。もともと片づけが苦手という人もいるのですが、マンションあたりを覗いてみると収納スペースが足りないケースがほとんど。だからといって収納スペースを広く取れば、その分、居住スペースが削られます。何から何までとっておくという考えでは、いくらスペースがあっても足りません。まずは何年も着てない衣類などの「死蔵品」は思い切って処分し、収納する量を把握した上でプランを立てましょう。
 家の中には隠れたスペースがたくさんあります。このデッドスペースを活用すれば、収納効率がぐ~んとアップ。一戸建てでは、階段下や階段を上がったところにある手すり壁に注目。階段下は、玄関の下駄箱に納まらなかった靴や掃除用具、特定の季節に使用するものなどを入れると便利です。壁は面部分を空洞にし、棚として利用します、厚み10cmほどしかありませんが、文庫本などの書棚としてなら十分。そのほか、トイレ内のトイレットペーパー収納、玄関のスリッパ収納、キッチンの調理用ポケットなど、壁中は何かと重宝します。お手軽な方法なので、壁紙を張り替える際にやってみるといいでしょう。ただ、家の構造を支える耐力壁や、壁で支える2×4構造の家には、むやみに壁をくり抜くことはできません。
 一時需要の高かった屋根裏収納もデッドスペースの有効活用ですが、「重いものを出し入れするのに不便」「熱気がこもるので衣類が置けない」という不満の声は少なくなく、あまり役に立っていないようです。そこで最近、屋根裏は収納スペースとしてではなくロフトにするケースが増えており、使い勝手が良くなると同時に部屋全体の開放感につながるとあって好評です。
 整理整頓のしやすいシステム収納も人気が高まっています。システム収納とはモジュール化された部材・部品を好きなように組み合わせる収納棚のこと。様々な機能を持たせることができるうえ、収納するものに合わせて途中で組み合わせを変えたり、部材・部品を後から追加できるので、ライフスタイルの変化にも対応できるメリットがあります。大きなシステム収納は部屋のイメージを大きく左右するので、選ぶ時は部屋の雰囲気に配慮したいですね。

見せる収納

 収納といえば「隠す」というイメージがあると思いますが、大きなものや特殊な形で収納しづらい場合、あえて「見せる」という方法があります。主に「吊るす」と「飾る」です。フライパンなどよく使う調理器具は、吊るして収納すると便利ですし、ちょっぴりお洒落な雰囲気に。絵皿や花瓶、カップ&ソーサーなどもしまい込まずにディスプレイすれば部屋のアクセントになります。もっとも「何でもいいから見せとけ」では、よけいごちゃごちゃになって逆効果。見せる収納のコツは、素材や色など統一性を持たせることです。ほら、本を並べる時も背表紙や高さが揃っていると、見栄えがいいですよね。それと同じです。

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